上下限SOC | MAC AUTO PARTS

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上下限SOC

最近質問をいただきましたのが、どれくらいのSOCを狙って運転すればよいのか、というものです。

まず下限ですが、HV、PHVは必ず、ここまで下がったら強制的にエンジンがかかって充電するという

SOCがあります。そのSOC、厳密には下限ではないですが、下限SOCになるとアイドルストップすら

しませんので、エンジンを止めたいときに止められず、燃費悪化の原因になりますので

そこまで下げないようにコントロールします。

 

例えばアクアの場合、SOC=40%が下限SOCですので、40%にならないようにします。

具体的には、45%以下になったらやばいな、と思うようにします。

 

次に上限ですが、これは車によっていろいろですが、下り坂をアクセルオフ、回生でずっと

下って、これ以上上がらないという数値になったところが上限SOCです。アクアの場合は80%です。

アクアの場合(他の多くのHVもそうですが)それより手前のSOC60%で、エンジンがかかっている

時に充電しなくなります。

 

エンジンがかかっている時に充電しなくなる、というのは、どういうことかと言いますと、

例えばDレンジでEV走行していて、アクセルを踏み込むと、あるポイントでエンジンがかかります。

その時、(アクセルを踏み込み過ぎなければ)SOCが60%以下ならついでに充電するので

マイナスの電流が流れます。SOCが60%以上であれば、電流は流れずゼロのままです。

(あるいは、SOCがもっと高いとプラスの電流になる場合もあります)

 

この、エンジンがかかっているのに充電しなくなるというのは、燃費にとってあまりうれしいことでは

ありません。燃費のためには「かけ止め」走行がポイントです。アクセルを踏んでエンジンを

かけ、エンジン回転数は1800rpm以上、ついで充電をしてSOCを維持します。速度が上がったら

アクセルを戻し、EV走行します。その時の電流は0-20A程度、速度が下がったらエンジンをかけます。

その繰り返しです。

 

その時に、エンジンがかかっているのに充電しなくなる状態だと何が困るかといいますと、

エンジン回転数が上がりにくくて困るのです。例えば、1800rpm以上にするのに、アクアの場合は

12kWくらいエンジンパワーが必要です。アクアは最大5kWくらい、ついで充電できますので

SOCが低い時は7kWのアクセル、すなわち7kWの加速で1800rpmになります。

少しアクセルを踏むだけで簡単にエンジン回転数が上がる=エンジン熱効率がよくなるのです。

 

逆に、SOCが上がってしまっていたら、12kWはすべてアクセルで出さなければなりませんし、

加速もしてしまいます。車の量が多くて、激しい加速はしにくい、という時でも踏まないと

効率はよくならないという難しい状況になってしまいます。

 

ということで、SOCは上げすぎず、下げすぎずで走るのが「かけ止め」走行しやすく、燃費によいということになります。

アクアの場合は50-55%くらいがよいでしょう。車移動の目的地は駐車場であることが多いです。

駐車場は徐行(=EV)でそこそこ距離を走ることも多いので、余裕を見て、50%くらいにはしておいた方がいいです。

帰りの駐車場出口までEVしたい、と考えると、その分も残しておきたいところです。

 

どうやってSOCをコントロールするか、ですが、あまり神経質になる必要はなくて、

SOCを下げたい時はEVの範囲を0-20Aから0-30Aに上げたりします。また、EVで粘り目に

走ったり、EV時間割合を上げたりします。SOCを上げたい時はその逆で、発進してすぐエンジンを

かけたり、EV範囲を狭めたり、EVにしようかエンジンをかけようか迷った時はエンジン走行に

したりします。そんな感じでちょっとEV寄りかエンジン寄りか意識しながら走って、時々SOCを

チェックするようにします。地形によって、上りはSOCが上がりやすい等もありますので考慮にいれます。

 

そんな感じで、ご自身の車のSOCによる挙動の違いを考慮して運転すると好燃費につながります。

自身の車の目標SOCレンジはいくつからいくつがよいか、とか考えながら運転すると面白いです。