回生はしない方がいいのか(1) | MAC AUTO PARTS

マックオートパーツ | 車両情報表示装置でお客様に幸せをお届けします。

インデックス

回生はしない方がいいのか(1)

回生はしない方がいい、とはどういうことだ?と質問をいただきました。

取説を見てみると、回生しない方がいい、とは書いてないと思いますが、

実際どうなのか、考えてみました。

 

 

回生をした方がいい、というのはいささか簡単に考えすぎかと思います。

回生で取れるエネルギーというのは、天からの授かりものではなく、

これまでにエネルギーを消費して速度に交換したものだからです。

出したり入れたりして、その度に伝達損失を払っているので、

何も出し入れしない方がましだということです。

働いて稼いで税金払って、消費して税金払うようなものです。

10万円分働いて、税引き後9万円もらって、8万円のものしか買えません。

 

だから、回生しない方がいいと片付けるのは簡単ですが、

ちょっと考えてみたいと思います。

まずは、3つに分けてみます。1つ目は平地の加減速、2つ目は平地の信号停止、

3つ目は下り坂です。それぞれで、どう回生するのがよいかを考えます。

 

こんな感じで、EV走行で一定速で走る点線のパターンと、

一旦回生ブレーキで減速し、EVで加速する実線のパターンを

考えてみます。

 

例えば、60km/hで走っていて、減速する方は30km/hまで

減速するとします。60km/hの走行エネルギーは250J/m、

30km/hは150J/mとします。空力+ころがり抵抗の走行抵抗が

それだけあるということです。

 

ざっと燃費的な条件の違いを考えると、一定速は加減速しない分、

電流の出し入れは少ないであろう、だから伝達損失は少ない。

逆に、速度は加減速する方より高いので、走行抵抗は大きい。

ですので、このどちらが寄与度が大きいか、です。

 

始まりから終わりまでの距離が100mとすると、走行に要するエネルギーは

一定速は25kJ、加減速はだいたい20kJくらいと思われます。

で、加減速に使われるエネルギーですが、50mで60→30km/hにするので、

8.3m/sの速度変化、それが4秒くらいですかね、減速度は2m/s^2くらいです。

加速度も同じですね。すると、0.2Gですので、1000kgの車として、

2000Nくらいの力で加減速することになります。

車速は変化しますが、平均12m/sくらいとして、かけて24kWくらいの加減速パワーに

なります。20%が損失になるとして、10秒続くとすると、損失は48kJとなります。

 

加減速は走行抵抗で得をしている分は5kJ(伝達損失もありますが)、損している分は48kJ

なので、加減速しない方が得になります。

 

それで、距離が1000mとなると、ちょっと話が変わってきて、

走行に要するエネルギーは10倍になるので、それぞれ250kJと200kJになります。

加減速は、減速度が1/10になって、継続時間が10倍(距離が10倍なので)になるので、

48kJは変わらずとなり、50kJ差と48kJ差ということで、損得がなくなります。

 

つまりは、回生した方がいいかどうかは回生する距離にもよるので、一概には言えないと

いうことになります。急ブレーキはだめだけど、じわっと減速すると、平均速度が下がるメリットが

でてくるよ、到着時刻は遅くなるけどね、ということです。続きはまた。