ハイブリッドモニター小冊子というものを作っておりまして、
とりあえず、ということで1モータシステムだけを集めて1モータ編として
作りましたが、2モータも見たいというご意見がありますので作っています。
そんな中でこういうシステムがあるのですが、
これは、昔あった限定100台の日産ティーノハイブリッドのシステムです。
駆動モータ+トランスミッションとエンジンに発電モータがついたシステムというのは
あります。これは一応2モータと分類しています。
それで、このシステムのいけないのが、発電モータのパワーが13kWもあります。
大きすぎるのではないでしょうか。
この発電モータはどういう時に使うのか想像するのですが・・・
まず発進はEV走行です(③のクラッチを半クラで発進することは基本的にはしません)
で、モータ回転が1000rpm以上になるタイミングでエンジンをかけます、というか
かけることができる状態になります。逆に言うと、1000rpmになるまでは
エンジンをかけることができません、というか、かけられますがクラッチをつなげません。
100rpmとかでクラッチをつないだらガクガクいって大変だと思います。
ということで、EV走行できるのに十分なSOCがないと発進すらできません。
そこで発電用モータの登場となり、③のクラッチは切り離したまま、
エンジンをかけて①のモータで発電してその電気を②のモータに回して
駆動するという具合です。
そうすると、上り坂とかパワーがいる状態でエアコンONとかを考慮すると
13kWくらいいるだろうというのが日産での計算になったと思われます。
13kWのモータだからでかいし、ベルトも立派なものだと思います。
駆動ロスもかなりあるのではないでしょうか。
それに対して、初代エスティマハイブリッドは同じような感じのシステム
なのですが、エンジンと駆動用モータをプラネタリーギヤにつなぐことで
発電用モータによるシリーズ運転の需要を減らしていて発電モータの
パワーがそんなに大きくありません。
それで、ティーノHVに戻りますが、③のクラッチをトルコンにしたら
同じように発電モータを小さくできるのではないかなと思いました。
そういうシステムはまだないようですが。