燃費を走行抵抗とエンジン×伝達系効率に分けて話をしますが、
エンジン×伝達系効率の話をする時に知っておいていただきたい
ことは、パワー源はエンジンとバッテリーということです。
モータがパワーを出すと思っておられる方もおられますが、
モータは言わばトランスミッションです。トランスミッションには
ギヤがたくさん入っていますが、その内の1つ、2つが
力行したり回生したりする機能をもつと考えるとよいかと思います。
パワー源はバッテリーなので、バッテリーが空(SOCゼロ%)なら
モータががんばりようがありません。
逆に、モータはバッテリーのパワーが出せるだけの容量が必要です。
ですので、1モータシステムでは、バッテリーパワーmax値=モータパワーに
なっていることが多く、基本的にそういうものだと言ってもいいです。
ただし、バッテリーもモータも全域最高出力値が出るわけではないので、
どちらかがボトルネックになることはあります。
例えば、モータ最大トルクですが、モータトルクカーブは
トルク×回転数=最高出力となるような双曲線と言えますが(一般論として)
最大トルクは頭打ちになっています。
最大トルクを無駄に大きくするわけにはいかないので、
何らかの根拠を持って決められているはずです。
加速性能、登坂性能か、あるいは回生ブレーキ性能というところです。
2モータシステムのモータパワーは、片方が発電モータで、片方が
駆動モータなので、駆動モータパワーは発電モータパワー+バッテリーパワーと
すべきです。発電モータパワーは、シリーズハイブリッドではエンジンパワーと
等しく(そうでないと、エンジン最大パワーが出せない)、
例えばノートe-POWERでは、エンジンが58kWなので、発電モータは
58kWあるはずです。駆動モータは80kWなので、バッテリーパワーは22kWでしょうか。
データ取りしましたが、もっと出ていたと思いますので、エンジンの部分負荷領域での
アシストに使われていると思われます。(最大出力では、駆動モータがボトルネックに
なる)