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バッテリー損失

バッテリーに関する損失がどのように燃費に影響するかという話です。

バッテリーの損失は、バッテリー電流の2乗×バッテリー内部抵抗で表されるものです。

まずは電流ゼロ時のバッテリー電圧ですが、ベイサンのページより引用していますが、

4本の線は0.2クーロン~2クーロンまでの電流での容量に対するバッテリー電圧を

表しています。クーロンという単位は、1時間で満充電からゼロまで放電する電流です。

上の図では、2000mAhですので、2000mA(2A)が1クーロンです。0.2クーロンは0.4Aです。

0Aの電圧は0.2Cの少し上にありそうです。

 

その、0Aの電圧と0.2Cの電圧の差を使ってバッテリー損失を計算できます。

電圧の差は電流×内部抵抗ですので、それに電流をかけるとバッテリー損失になります。

 

例えば、バッテリー損失がゼロの場合(すなわち、内部抵抗がゼロの場合)を考えてみますと、

単純に、高速道路を一定速で走るハイブリッド車を思い浮かべます。

エンジンがかかったり止まったりします。エンジンがかかっている時は当然充電です。

なぜなら、エンジンが止まっている時はEV走行で放電だからです(坂は考慮しないとしてですが)

 

ですので、エンジンがかかっている=10kW充電⇔エンジンが止まっている=EV走行=10kW放電

の繰り返しとなります。SOCは上がったり下がったりします。バッテリー損失はゼロです。

燃費に影響するものはありません。

 

ところが、実際はバッテリー損失があるので、そうはいきません。

例えば、10kW充電する時のことを考えてみます。電流ゼロ時の電圧が200V、電流が50Aと

します。ところが、50A充電する時に上の図のように、電流によって電圧が変わってしまうので、

220Vで充電しなければならないようなことになります。

 

同様に、EV走行する時も、インバータに50A取り出すと電圧が180Vに下がってしまうとすると、

10kWにならない(9kWになってしまう)ので、パワー不足となるので、もっと電流を取り出さなければ

ならなくなります。先の例の200Vと220Vの差の20V分がバッテリー損失として消えてしまう分です。

 

ということで、11kW充電して、バッテリーに入るのは10kW、バッテリーから11kW出してインバータに

届くのが10kWというようなことになります。往復とも1kW分はエンジンが生み出すので、その分

燃費悪化することになります。

 

最後に、例えばEV走行する時の電圧の下がり幅ですが、上の図のように、電流のみで

決まっているわけではなく、温度とかの要因もありますが、私がモニターでずっと電圧を見ていて

感じるのは、出し入れをしながら走行している時より、EV走行(放電)を長時間(1分とか)続ける方が

電圧の落ち幅が大きいです。イメージ的には絞った後のレモンを絞る方が同じ絞り量を得るのに

力が余計にいるようなものかと思っています。そういったことも考慮すると燃費向上に役立つのではと

考えております。