インバータはバッテリーの直流をモータの交流に変換するものです。
とりあえず、インバータにはインバータの損失、昇圧コンバータの損失、DCDCコンバータの
損失が含まれています。
昇圧コンバータって何?バッテリーの電圧をモータ駆動用に昇圧して使うHVがあります。
昇圧するものを通すので、効率100%というわけにはいかず、何らかの損失が発生
します。にもかかわらず昇圧を使う理由は何でしょうか?
昇圧を使う車は大抵(おそらく全部?)2モータ車です。2モータ車では、
バッテリーにふさわしい電圧<モータ駆動に理想的な電圧になるので
昇圧を使うことになります。
こんな感じですね。例えばTHSでは、バッテリーが20kW出して、発電モータがエンジンで
回されて30kW発電して、あわせて50kWを駆動モータで出して、車軸を駆動する、という
感じで電気を使っています。
この時の電圧はどうするのがいいか、というと、バッテリーの20kWは200V×100A=20kWでも
いいし、400V×50Aの20kWでもいい。100V×200Aの20kWでもいいかもしれない。
コストや大きさという面で見ると、400Vは200Vと比較して、電池セル数(乾電池をいくつ直列で
並べるか?というような意味)が倍になるし、100Vの4倍となる。スペース的には、電池のケース
部分が占める厚みもバカにならないので、倍、4倍では済まなくなる。
また、電流で言うと電圧が低い方が電流が増えて、電線の太さが太くなってしまうので
搭載上も困るし、i^2×Rの損失も2乗に比例して増えてしまう。ので、電圧はあまり高くできないし
低くもできない。入出力パワーに見合った理想的な電圧がある。
一方、モータ、インバータの方は電池セル数のような事情がないので、電圧は高い方が
損失が減るし、電線が細くできるのでうれしい。ただ、超えにくい壁があって、
高電圧とされる600-750Vを上限としていることが多い。
ということで、特にモータ、インバータで扱う電力>バッテリー出力の場合に
昇圧される場合が多いようです。(電流の上限でモータパワーが規制されにくくなる)