新型リーフの諸元を先代と比較してみます。
まず目に付くのが、電費が悪化していることです。
電力量消費率を見ますが、1kmあたり消費する電力量なので、少ないほどよいですが
新型は先代に負けています。
この理由は何か、全高が低いのは有利要素ですが、最低地上高も低いので前面投影面積は
有利にはなっていません。全幅が広いので、車高が低い有利さがあっても、打ち消されて
いるかもしれません。
最も大きな要因であろうと思われるのは、車重アップです。60kgアップですが、
その要因は電池容量アップと思われます。だいたいEVで、kWhあたり10kgが目安なので、
16kWh増で60kgアップと考えるとかなり重量増を抑えているといえるのではないかと思います。
しかし、イナーシャランク1ランクアップしていると考えると、約5%の悪化は妥当かもしれません。
一充電電力量は、電力量消費率×一充電走行距離で計算しています。
先代リーフの場合、絶対SOC5%から97%までの92%を使用していました。24kWh×92%=22.08kWh、
22.08kWh/26kWh=0.85ということで充電効率は85%でしょうか。
新型リーフでは、48*0.85=40.8kWhと、すでにカタログ値40kWhを超えています。
これはどういうことなのか。カタログ値が控えめなのか?電池容量はメーカーによって定義が変わって
きたりするらしいので、そのあたりの違いかもしれません。
あるいは、先代よりSOC範囲をぎりぎりまで攻めているのかもしれません。
どうしてもEVはガソリン車より残り航続距離が少ない状態で走ることが多いと思うので、
ユーザーがプレッシャーをかけられることなく、有効に残り航続距離を使えるように
正確に残り距離を算出する工夫とか、ユーザーを安心させる工夫とかがあると
よいのではないか、と思いますが、その辺りの進化が気になります。
あと、最高速ですが、先代とタイヤサイズ、最終減速比、モータ最高回転数が
ほぼ同じなので、のばされてはいなさそうです。北米では最高速は重視されないのか?
逆に、最大トルク、パワーが広がって、加速のよさを売りにするようです。
この、EVの最高速の割り切りが許されるのがよくわからないですね。
あとはブレーキのところに電動型制御ブレーキと書いてあるのが気になります。
先日、e-pedalと引き換えに回生協調していないのではないかというようなことを
書きましたが、リーフの場合はガソリン車のブレーキに負圧発生装置を新たに設けなければ
いけないので、あまりうれしさがないような感じでしたが、回生協調はしているような
感じですね。ただ恐らくブレーキを使わずにワンペダル走行した方が電費はよくなると
思います。