アウトランダーPHEVでハイブリッドモニターをつけるとバッテリーがあがる話の続きです。
とりあえず、今の状態が心配という方はこんな感じで電流を測ってみてください。
測り方ですが、まず、測りたい状態、レーダー等を取り付けて、IG OFF、車をロックして
電流を測ります。OFF直後はセキュリティなどが働いていて、そこそこ電流が流れているので
少し待ちます。電流が下がってきて落ち着いたらその数値を記録しておきます。
それで、OBD2からレーダー等を外して、電流を測ります。それでレーダー等有無による
差がわかります。その差が10-20mA程度であればさほど心配はないです。一週間くらいは
放置しても大丈夫です(バッテリーの状態にはよりますが)
500mAとか1AとかのオーダーだとNGです。このまま放置してはまずいので何か対策を
しなければなりません。
それでアウトランダーの話ですが、最初に話を聞いたとき、レーダー、ハイブリッドモニターそれぞれ
単独なら大丈夫だけど、分岐ケーブルで組み合わせると暗電流が過大になる、と聞きました。
何でだろう、お互いに何か通信して悪さをしているのかな、そもそもその話は合っているのかな、
そうだよな、何か間違ってるんだよ、暗電流の測り方がわかっていないんだ、とか
思いながら調査に向かいます。
で、実際調べるとおっしゃる通りで、単独なら10mAオーダーの心配ない値なのですが
組み合わせると1.3Aとか流れている・・・うーん、なぜだろう。まあCAN関連の話であることは
間違いないであろうということでCAN通信を調べました。すると両方つないでいる時は
レーダーが車と通信していて、車側もバッチリ反応していました。これではだめだな・・・
では、単独だと大丈夫というのはどういうこと?とハイブリッドモニターを外して
調べたところ、CAN通信は両方つないでいる時とかわらず、車側も反応する状態・・・
あれ?単独では大丈夫だったのは何だったのか?うーむ、単独と違うところは
CAN通信を調査するために分岐ケーブルを使っていること・・・
とすると別系統で調べるとどうだろうか、おお、レーダーが止まりました。
ということは、分岐ケーブルで電力消費があるとIG ONと判定してレーダーが動き出す
ということかと思い、消費電流極小の液晶のハイブリッドモニターをつなぐと、やはりレーダーは
休んだままでした。
レーダーのメーカー(コムテック)もIG OFF中にCAN通信するとまずいことはわかっていて、
それでどうするか、なのだけど汎用性を上げるために特定の車種にしか通用しない方法でなく
IG ONを検知しなければならないという課題があって、こういう方法で解決したということ
なのかな。おそらくは取説に分岐ケーブルは使わないでくれというようなことを書いているのではと
思います。
ユーザーとしては、IG OFF中にCAN通信するとこういうパターンでバッテリー上がりが発生することが
あるということを知識として覚えておいた方がよいということです。
製作者側としては難しい問題です。レーダー併用可能とは言ったものの、レーダーを買って試すことまでは
していないわけで、そこまでしないといけないかと言われると、どうなんでしょうか。
レーダーを併用したい人がいるから、レーダーを併用できるように作りましたといいましたが、
作りましたと言ったら、併用しても大丈夫ですよ、動作保証していますよということを期待してしまうかもしれません。
でも、だからと言って他に何もつなぐなというのもどうかなぁ、と思うのです。
テスラなんて乗り込んでDに入れたらもう走る、他のメーカーみたいにいろいろやらなくてもいいんですよね。
でもこのようにほぼ不要な動作を省くことで事故の危険もあると思うのです。一人のうるさい人に文句を言われる
危険を押して便利な車を作るところは見習いたいところだと思うのです。
だから、注意書きに分岐ケーブルは使うな、と書くのではなく、併用可能にしたら90%の人がうれしいなら
がんばって併用可能にしたいと思っています。