レクサスマルチステージハイブリッドというのが出て、いろいろ紹介
されていますが、どういう仕組みかわかりますでしょうか?
https://kuru-satei.com/buy-car/lc500-2017.html
http://autoc-one.jp/lexus/special-2600014/
などなど・・・
読んでスッキリとわかりますかね・・・
マルチステージというのは、THSの出力軸に4速ATをつけたものです。
それをつけるとどんな効果があるのか・・・
一つ言えるのは4速AT分の機械損失があるということ。
それを超えるメリットがないと意味がないのでしょう。
先に紹介したページ、後者の方には最高速が低いのが弱点で、その対応の
ためと書いていましたが、それだったら2速切り替えでいいんじゃないのかと、
モーター2速切り替えとTHS全体の後ろに4速をつける違いも書いていないので
スッキリしないのではないでしょうか。
確かに弱点克服という意味ではあるのですが、ちょっと違います。
まずは、THSというかプラネタリーギヤの構造をモデル的に理解するために
下の図を覚えて下さい。これがシステム理解の第一歩です。

THSでは、発電モータ、エンジン、駆動モータの回転数は上の図の
ような一直線の関係になります、と覚えてしまってください。
それで、その3者の間隔はだいたい7:3です。(ちょっと違うところも
ありますが、理解しやすくしました)ですので、駆動モータが0rpmで
エンジンが3000rpmなら、発電モータは3000×(7+3)/3=10000rpm
ですね。このように三角形の相似の関係から、2者の回転数がわかれば
残りの回転数が計算できます。
それで、駆動モータと書いているところはディファレンシャルを通じて
車軸とつながっています。例えば先代プリウスだとデフ比は3.267なので、
駆動モータの場所(本当は駆動モータは2.636の減速器でつながっているので)
が1000rpmだと、タイヤは1000/3.267で308rpmで回り、一周2mとすると
10.3m/s=37km/hで走っていることになります。最高速が180km/hとすると
180/37*1000=4864rpmになります。
それで、ここからが「制約」の話になるのですが、このプラネタリーギヤは
3者の関係で成り立つので、行けないところがあります。これが「制約」です。
制約は各コンポーネントの最高、最低回転数です。エンジンは0rpmと
1000-5700rpm以外には存在できませんね?発電モータにもそれが
あります。駆動モータにもありますが、減速器のスペックを変えることで
別途対応可能ではあります。こんな感じです。

これもあくまで模式図なのですが、こんな感じで3者をまたがる線は
自由自在に動けるわけではなくて、太線をはみ出さない範囲でしか
動けません。こう見ると意外と可動範囲は狭いですね。
ですので、例えば発電モータの最高回転数に当たるために
停車時はアクセルを踏んでもエンジンはレブリミットまで回せません。
せいぜい3000rpmがいい所です。同じ理由で、100km/hですら
レブリミットまで回せません。普通の車は1速なら60-80km/hで
レブリミットまで使えるので、これはTHSの弱点と言っていいと思います。
しかし、ではデフ比をローにすればいいんじゃないのか?
たしかにそうです。(こんな感じです)

デフ比を倍(ローギヤ)にすれば、100km/hだったところが50km/hになって、
100km/hでは一点鎖線のように発電モータのリミットにあたらなくなって、
レブリミットまで使えてめでたし、めでたしなのです。
では、加速の悪さを承知でなぜレブリミットまで使えないデフ比の設定にしているの?
それは、プリウスでは加速よりも重要視されているであろう燃費のため
なのですが、なぜデフ比ロー=燃費悪化になるのか・・・
続きは次回にいたします。
